彩の間

芸人ハローワーク〜医師編〜

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芸人ハローワーク〜医師編〜
「将来、何の仕事をしようかな…」
ここは、そんな進路に悩める学生諸君のための職業相談所。

以前、別の職業に就職していた芸人へインタビューを行い、
辞めた人だからこそわかるその職業のなり方、成功の秘訣などを紹介します!

今回の職業は「医師」
ということで、元研修医のフレミング・宮本駿さんに話をうかがいました。


———今日はよろしくお願いします。

宮本:よろしくお願いします。

———まず最初に、どこの大学に通ってたんですか?
宮本:群馬大学医学部医学科ですね。

———6年制?

宮本:6年ですね。

———6年間大学に行って、その後は?

宮本:まぁ医者やってたって言っても2年間「研修医」っていって研修で見習いみたいな感じですかね。正式な医者は医者なんですけど。医師免許も取ってるので。

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宮本:研修医は「ブラックジャックによろしく」のような、いろんな科を見習いみたいに回るっていう…「半年内科」、「3ヶ月外科」、「産婦人科、小児科、精神科1ヶ月ずつ」、後は選択でいろんな科(自分が行きたい科)を選べたり。

———大学6年間と2年間の研修がひとつの流れなんですね。

宮本:一応そうですね。

———在学中は例えば外科なら外科だけ勉強するんですか?

宮本:違います。全部勉強します。一応基本的なやつは。

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———大学のカリキュラムってどんな感じなんですか?

宮本:1年目は普通に一般教養。普通の大学生みたいな。その中に週1で病院実習があるみたいな感じですね。

———実習では最初は何されるんですか?

宮本:最初はただ本当に見学…見てるだけですよ。何しに行ってるかよくわかんないみたいな感じで…ただガーゼを折り畳んだりしてましたね(笑)

———2年目は?

宮本:2年目の後半ぐらいから徐々に専門的な授業…専門的って言ってもなんていうかその…

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宮本:身体の解剖とかですかね?内科とか外科とかの前にまず解剖学みたいなやつとか、生理学、生化学とかって…なんかその…消化の後、たんぱく質がどうのこうのとか、こんなホルモンが出るみたいなのを勉強し出したのが2年生の後半ぐらいから。
———解剖はどうでした?最初。

宮本:いやなんか、最初はちょっとなんか「うっ…」っていうかなんか…

———周りの人とかはどんな感じ?

宮本:なんか倒れる人もいるらしいんですけど、僕の時は誰も倒れる人はいなかったですね。わりかし淡々と、というか。
すぐ慣れますね。ホントすぐ慣れます。
授業が2ヶ月ぐらい続くんですよ。その2ヶ月間は毎日解剖するみたいな。

———毎日?

宮本:毎日「今日は右腕」「今日は左腕」みたいな。「今日は右足、左足、体」…まぁ右腕の中でも「今日は○○神経を出してそれを」…とか、「○○動脈がどんな風に分かれてどんな風に繋がってるか今日は見ましょう」みたいなのを教科書見ながら各自やるみたいなのですね。4人1グループで。

———実際にされてたんですね。

宮本:はい。で、4人1班なんですけど、結構仲いい人で組んだりするんで、その中で解剖の2ヶ月の授業中、毎日一緒に居るんで、付き合ったりする人もいるんですよ。

———あはははははは(笑)意外!

宮本:「解剖カップル」っていう…

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宮本:(笑)多分、あるあるだと思うんですよね。で、4年生になってから内科とか外科っていう授業…産婦人科、○○科…って授業が始まる感じ。

———授業って病院に行ったりとか?

宮本:講義ですね。大学病院で働いてる先生が来て講義する。

———で、5年目から研修?

宮本:はい。それはもう1年生の時の実習とは違ってちゃんと医学生として扱ってくれる。外来とか見せてくれたり、手術とかも普通に見ますし。あと…もうちょっと細かい講義があったりとか、超音波、エコーとかも実際「ちょっとやってみる?」みたいな感じでみんなでやり合ったりとか、…っていう感じですかね?5年のやつは。

———で、6年目は?

宮本:6年生はまた、病院実習もあったりしつつ、国家試験が2月にあるんで、またちょっと内科とか外科の授業があります。国家試験対策のまとめの授業みたいな。普通の大学って卒業論文を書いて卒業じゃないですか?医学部は卒論じゃなくて「卒試」って言って卒業試験を受けて大学がOKだったら卒業できる。 それが3ヶ月ぐらい続いてあるんで、1週間に1個ぐらいテストがあるっていうのが3ヶ月ずっと続く。その時はずっと毎日のように勉強して1番つらい時ですね。 卒業試験ってのが12月ぐらいに終わって、そしたら2月に国家試験があるので、その間また2ヶ月間、国家試験に向けて勉強するっていう感じですね。

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———国家試験の合格率っていうのは?

宮本:9割ぐらいですね。みんなと同じように勉強してれば大体の人は受かるっていう。で、国家試験受かってから東京の病院に行きました。

———実際に手術とかされたんですか?

宮本:先生と一緒にするっていうのはありますね、全然。手術って大体、簡単な手術だったら2人、難しい…ちょっと重めの手術は3人ぐらいでやるんですけど、執刀医がいて第一助手、第二助手みたいな。必ず第二助手みたいな感じで研修医入るんで。最初はその、手術する場所、お腹空けてる場所が閉じてきちゃうんで、それを広げるみたいな。持つ役みたいなやつですね。後は先生が(糸などを)「切って」みたいな時に切るみたいなとか、血とか出るんで血吸い係みたいな、その吸引係みたいなのをやるって感じですね、研修医は。でも2人とかだと、最初にメスだけ入れるとか、最後のお腹…全部切り終わってお腹を閉じるその時だけ研修医がやるとかっていうのはありますね。

———初めてメスを入れた時、どんな感じでした?

宮本:最初はマジでめっちゃ震えました。もうホントに(手をブルブル震わせて)こう…でも3、4回目から慣れますね。絶対慣れます!みんな、多分。人間ってそういうもんなんですよね。

———あははは(笑)

宮本:初めはホントかなり緊張しました。注射ですら緊張しましたね。友達ならまだしも、ホントに知らない人で…緊張しましたね。…すぐなんともなくなりますけど(笑)

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———ずばり研修時代のお給料ってどれくらいなんですか?

宮本:これマジで病院によってまちまちですね。僕は…ボーナスは無しで、手取りで27万ぐらいでしたね。大学病院とかだったら20ぐらいですね。群馬県の市民病院とかだと40万ぐらいですかね。青森とかだと研修医で60万とか。

———都会より田舎の方が高い?

宮本:人が少ないからお金で繋ぎ止める…「給料出すから来てください」みたいな。

———研修医時代の失敗談とかありますか?

宮本:ホントに入ったばかりの研修の時で、実際働くと全然違うんですよ。結局実技的なことがメインで、勉強した深い知識なんてあんまり必要ないというか。 で、なんか患者さんを受け持ちして、まぁ一週間の入院で治る軽いものなんですけど、腸炎のおばあちゃんで、実技とかあんまできないし、知識とかもそんな無いから、とりあえず一生懸命通ってお話しするだけでも、それがまぁ役割かなと思って結構頻繁に行って、仲良くなったというか。

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宮本:で、一週間後に退院できるってなって、「宮本先生、ありがとね。ホント優しくしてくれて」って。で、「宮本先生に渡したいものがあるんだよ」みたいになって、やっぱお金とかっていうのは…たまに噂で聞いたことがあるんで、「お金とか持ち出してきたら断ろう!」と思ったら、

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なんか1つの本を取り出してきて、その本のタイトルが「患者さんとのうまい付き合い方」っていう。コミュニケーション取れてたと思ってたら全然取れてなかったっていう(笑)
———あはは(笑)苦すぎる思い出ですね!

 


———では最後にこれから医師を目指す人にメッセージをお願いします。

宮本:頑張ってください!…万が一落ちたらNSCにぜひ!!

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ーーー貴重なお話ありがとうございました。